稲富勇成のブログ

稲富勇成の体験談をここに記します。

稲富勇成のロフテッド軌道

こんにちは、稲富勇成です。弾道ミサイルの脅威を語る場合に欠かせないのが「ロフテッド軌道」という概念です。例えば、射程が1万数千キロメートルを超えるような大陸間弾道ミサイルICBMにおいては、一見するとアメリカなどの遠く離れた国にとっての脅威というイメージがありますよね。日本などを狙う場合には短距離弾道ミサイルや中距離弾道ミサイルで十分ですからね。

しかしICBMには射程を犠牲にしつつ、極めて高い高度を飛行させるという「ロフテッド軌道」を利用する場合があるのです。射程を犠牲にするというのは、逆を言えば有り余るパワーを上昇に転嫁させることで、遠くを狙うためのミサイルで近くも攻撃できるようにするということでもあります。

このロフテッド軌道の脅威というのは迎撃が極めて困難であるということです。現在配備が進められている弾道ミサイル防衛システムでは、高くても高度千キロ程度での迎撃を想定しています。しかしロフテッド軌道で飛行する弾道ミサイルは高度は数万メートルに及ぶ上、落下時の速度も極めて速いので迎撃が困難になるのです。